「ん。ありがと。」


来月…か。


なんだろう。


なんでこんなに、苦しいんだろう。


朝陽と、別れるのが…嫌だから?






嫌だ。…嫌だよ。


楽しかった。嬉しかった。


一緒にいて、初めての感情を知った。


…俺を、好きでいてくれることが、嬉しかった。


こんな俺でも、必要としてくれる人がいると知った。


久々に、心が落ち着いていた。


なんだ、この気持ちは…。


朝陽を、ずっと、このまま俺のものにしたいと思った。


…朝陽なら、変わらないんじゃないかって。


始まり方が、悪かったのかな。


普通に、出会えていたら…?


なんて、考えても仕方ないのに。


「柊君?」


なんて、仕方ないことを考えている俺の前に先生が現れた。


「あ、今、職員室行こうとしてました。仕事ってなんですか?」


「あー、もう終わったからいいよ!教室行って!」


「そうですか。わかりました、ありがとうございます。」


ということで、教室に向かうことにした。


が、教室の少し前の曲がり角に差し掛かった時に、俺の名前が聞こえた。


「なあ、冬夜ってさ、親に捨てられてるらしーよ?」