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オレンジ色の綺麗な空が窓からみえる放課後の図書室。



君と俺は、ここから始まった。




いや、違う。



ここから、゛始めた゛んだ。








俺はそっと、彼女に近づく。


「なに読んでるの?」



「わっ、」


急に話しかけられて驚いた様子の彼女。


「ごめんね、邪魔しちゃって。ちょっと、気になって。」


「え?なに読んでるか?柊君、本好きなの?」


「ううん。違う。前園さんの事が」


「あー、そーだよね〜この時代に放課後図書室で本読んでる人とか珍しいしね〜」


…あー、なるほど。


これは、回りくどく言っても伝わらない系だ。


ちなみに言っとくけど、俺は、「君のことが気になってるんだよ」なんて誰にでもいうようなキザな男ではない。


これはちょっとした事情が絡んでいるからであって、決して自分の意思ではないことをわかっていただきたい。


「いつも来てるの?図書室」


「うーん、時々かな。」


うーん、と言いながら首を傾げる彼女は確かに世でいうかなり可愛い部類に入るんだと思う。


たしかに可愛い。


でも、それだけだ。