体育が終わって着替え、教室に戻っている時のこと。

「おい、有栖川」

後ろからさっき聞いたばかりの声が聞こえた気がしたけど、気の所為だと思うことにしてそのまま歩く。

「…………おい」

『 ……………………』

「おいコラ!無視してんじゃねぇ!」

気の所為じゃなかった。私の横には、しっかりと怒の五十嵐先生がいた。

『 ………………なんだよ五十嵐』

「先生をつけろ先生を!」

『 ……なんだよ先生五十嵐』

「てめぇ、おちょくってんのか?あ?」

ヤクザ顔負けの般若のような顔で、先生としてあるまじき言葉使いで生徒を脅す。