殺す少女と堕ちる男達 1

成美さんは、無表情かつ、自分の事を全く話さない。まぁ、成美さんが何をしている人間か知っている以上、踏み込む事の出来ない領域なのだろうと。そう思い誰もあまり聞かないようにしているのもありますがね。

「……本当に、こんなに分からない人は初めてなんですよ」

自分からは踏み込まないのに、救ってしまう。それでも、信用されている訳では無い。証拠に私達は、成美さんの事を殆ど知らない。

「……私が財閥の人間だと知った時もそうでしたね。なぜ私があの高校に通っているのか聞いてこなかった」

成美さんなら、絶対に思ったはずだ。何故財閥の人間が不良校なんかに通っているのかと。

すると、成美さんは顔を窓の外に向ける。


『………人は誰しも少なからず何かを抱えてる。でも、それを聞いて欲しいか聞いて欲しくないかは人それぞれだ。…………そして、その何かを抱えながら苦しみ続けるのか、それとも前へ進むのか、それも人それぞれだ』