殺す少女と堕ちる男達 1

藤崎side

今、成美さんとは正面で向き合っている。

「……成美さんは、本当に不思議な人ですね」

『…………不思議?』

相変わらず無表情で、それでもよく分からないといった風に聞いてくる成美さん。

「成美さんは、絶対に自分からは僕達に踏み込まない」

普通の人なら聞いてくるような事。葵の女嫌いに関しても、仁のあの笑顔に関しても、決して自分から聞き出そうとはしなかった。2人が自分から話さなければ、成美さんは踏み込まなかった。

『…………』

「それなのに、踏み込むとすぐに救ってしまう」

葵に、仁に、彪吾だって、多分そうです。葵に関しては、身体まで張って怪我をしていた。

『…………』

「でも、自分の域には絶対に踏み込ませない」