殺す少女と堕ちる男達 1

驚いているのは私だけじゃない。瞬も開いた口が塞がらないでいるし、いつも眠そうな樹の目が、これでもかと言うほど見開いている。

「…………え、お前が?」

「えぇ、そうですね」

「あの藤崎財閥の1人息子?」

「はい」

「お前の妄想じゃなくて?」

「そろそろ黙りましょうか?」

「は、はいすみません」

出たよブラック藤崎。相変わらず怖ぇ……。

「だよね〜、こんなに身近にいるなんて信じられないよね〜」

本当にその通りだ。裏世界のトップに君臨する西城組の私にとって、表世界のトップに君臨するような藤崎財閥は、全く別世界の人間。会うことすら無いと思っていたが……。