そして車に乗り、出発する。場所は隣県だ。因みに車の運転も藤崎が手配してくれた。本当に何者なんだか……


車で走ること3時間。

目的地、海に着いた。拓哉と葵はビーチパラソルを車から出している。聞くと、もう水着は服の下に着用しているようなので、私と瞬と樹は、3人でそれぞれ更衣室で着替えることになった。

｢んじゃ、いってらっしゃ〜い｣

｢ナル、早く来てね〜｣

そして、更衣室へと入る。そこで、瞬達と買いに行った黒字に赤い椿の描かれた水着を着る。と、そこで気づく。この前斬られた傷が意外と目立つ。古傷もあるが、ほとんどは気にならない。だがこの前の傷はまだ新しいし、バッチリ見える。
まぁ、最初からパーカーは着るつもりではいたが。

その上から薄い黒のパーカーを着て、しっかりとチャックを閉める。そして、何となくいつもの癖でフードも被る。足は完璧に出ているが、仕方がない。そして、更衣室から出て皆のいる所へ向かった。