｢まぁ、ナル。そういう事だ。旅行じゃ俺らのそば離れんなよ｣

瞬が真剣な目付きでそう言ってきた。何が危険なのかは全く分からないが、瞬達がそこまで言うのなら仕方がない。

『 …………分かった』

｢……よし｣

そう言うと、瞬は少し顔を綻ばせた。因みに樹は帰ってすぐ寝てしまった。ソファの上で横になっている。本当に猫みたいだ。

｢んじゃ、俺は部屋戻んな｣

瞬はそう言うと自室へ戻っていった。そして、私はリビングの冷蔵庫に入ったジュースを1本取り、樹に毛布を掛けてから自室に戻った。

自室に入ると、ソファに座り小さなテレビを付ける。テレビはニュース番組だ。別に見る為に付けたわけじゃない。ただいまは、何か音が欲しかった。そのままベッドの上で寝転がり目を閉じる。

そして、そのまま意識を手放した。