……なんだよその旅行に行くのが危険みたいな言い方。今の状況の方がよっぽど危険だろ。

「いいか、行くなとわ言わねぇ。だが絶対に隙を見せんな。肌も見せんな。ってか顔も見せんな」

…………つまりふろしきにでも包まれて行ってこいと?

「……おい、その辺にしとけ光一」

声のした方を見ると、呆れたように壁に寄りかかった咲夜がいた。

「あぁ?こいつ全く分かってねぇんだぞ!どうすんだよお前の妹分襲われたら」

「……まぁ、確かに危機感がねぇのはあれだな……でもナルは知識がねぇし……」

「そんなら俺が教えりゃいいだろうが」

「殺すぞ」

……怖ぇ。咲夜が黒い……。まるで藤崎のようだ。