それから、僕はまた、お母さんと住むことになった。その日は、今僕の住んでいる親戚の人の家にお母さんと帰って、一緒に夕飯を作って皆で食べた。久しぶりのお母さんの味に、また涙が出そうだった。

お母さんが、隣で笑ってる。

僕のお母さんは、やっぱり世界一のお母さんだ。

「どうしたの?葵、手が止まってるわよ」

「あ、うん、食べる!」

お母さんと作った肉じゃがを食べる。

そしてそれと同時に、今の幸せも噛み締めた。




ありがとう、ナル。

本当に、ナルのおかげだよ。

ナルのおかげでお母さんに会うことが出来て、

ナルのおかげで逃げずに向き合うことが出来た。

本当にありがとう、ナル。