殺す少女と堕ちる男達 1

『…………あなたは葵を傷つけた加害者じゃない。葵を傷つけさせられた被害者なんだ』

「ッッ」

『……あなたは葵を護ったんだ。なら、もういいだろう。あの男から解放された今、あなたは何を望むんだ?』

『葵の幸せか?もちろんそれはそうだ。でも違う。、、、葵と共に在る幸せだろ』

「ッッ」

葵の母親は、涙を流した。



「私は、あの子の傍にいたい。あの子を抱き締めたい。あの子の成長を近くで見守りたい。もう一度、お母さんって、呼ばれたい」

『………うん』

泣きながらそういった葵の母親は、きっと誰よりも優しく温かい母親なのだろう。

………………葵は幸せ者だな