は?警察でも手に負えねぇような奴を相手にしてるってことか?

今の言葉に、驚いたのは俺だけじゃねぇ。
仁も拓哉も秀一もだ。

「待てよ、それじゃ、お前らだって」

「僕達は皆、ここに来た時から死ぬ覚悟は出来てる。実際に死にかけた事だってあるし、近くで死んでいった仲間だって、沢山見てきた」

「俺達は、人を殺す代償に、殺されるかもしれないという危険が常に伴っている。だから、無傷でいることなんて、無理なことなんだよ。寧ろ、死ななくて良かったと思う方が正しい」

言葉が、でなかった。

俺の家は神谷組という、関東では有名な方の組だ
でも、俺は人を殺したことなんて無い。
確かに親父やその他の組員は、何人か人を殺した事があるかもしれない。亡くなった組員だって何人かいた。それでも、誰も殺したくて殺しているわけじゃない。