愛するオトコと愛されないオンナ~面食いだってイイじゃない!?





(うわぁ~……)



顔を洗って歯を磨き、服を着替えて食堂に行ったら、テーブルの上には旅館のような豪華な和食が準備されていた。
それほど長い時間がかかったわけじゃないのに、こんなに素晴らしい料理を作ってくれるなんて、なんてすごい家政婦さんなんだろう。
まずは、煮魚に手を伸ばす。
もしかして、これはキンキって魚かな?



(わぁぁ…お上品な良い味…)



野菜の煮物も美味しいし、だし巻きはふわふわで、香りの良いお漬物ももしや自家製!?
ごはんの炊き具合もバッチリだし、朝から大満足の朝食だった。



「ご馳走様でした。
とても美味しかったです。」

お茶を淹れてくれる三田さんに声をかけた。



「ありがとうございます。
あの、奥様…奥様のお好きな食べ物とお嫌いなものをお教え願いますか?」

「あ、私はなんでもいただきます。
特に嫌いなものはありません。」

「アレルギーはございますか?」

「いえ、何も…」

「それでは、味付けですが、どちらかといえば薄口、もしくは濃い方、どちらが宜しいですか?」

「はい、さっきのお味付けでちょうど良かったです。」

「そうですか。それでは、スイーツですが…」

食べるものに関する三田さんの質問は、けっこう細かくいろいろ訊かれた。