愛するオトコと愛されないオンナ~面食いだってイイじゃない!?

「あれ?どうかしたの?」

「い、いえ…別に……」

思わずにやけてしまった顔を、なんとか元に戻す。



「そういえば…ずっと気になってたんだけど、なんで敬語なの?」

「え?」

なんで?って訊かれて、すぐに返事出来る程、明確な答えはないよ。
実際、年は私の方が3つ上だし、それを考えればきっと不思議にも思うよね。
なんでかわからないけど、柊司さんには自然と敬語になるんだよね。



う~ん…
あ…そうだ。きっと、柊司さんは、私にとっては王子様みたいな人だからだね、きっと。
だって、柊司さんはお金持ちで、社長さんで、その上、文句のつけようがない程のイケメン…
それを考えたら、そりゃあ、へりくだる気持ちにもなるよ。



「まぁ、君がその方が話しやすいなら、それでも良いんだけど…」

「あ…あはは。
そ、そのうち、変わっていくと思います。」

「うん、そうだよね。
僕達、まだ結婚して間がないんだもんね。
変なこと言ってごめんね。」

えーーーっ!
なぜ、謝るんですか!?
あなたが謝ることなんて、ひとつもないのに…
しかも、私が年上ってことも一言も言わなかった。
本当に、柊司さんって、どこまでデキた人なんだろう!?
ますます敬語で話したくなってしまうよ。