愛するオトコと愛されないオンナ~面食いだってイイじゃない!?

「……由紀子さんのことは、本当に良いんですか?」

「うん。自分でも意外だったけどね。
僕は、一生、由紀子さんのことが忘れられないって思ってたのに、それって思い込みだったんだよ。
一年もしないうちに、僕の心の中で彼女はただの思い出の人になってたんだ。
正直言って、僕もまだどこか信じられないくらいだよ。」

柊司さんはそう言って、明るく微笑む。



「信じられないのは私の方です。
こんなに何度も言われても、信じられません。」

「いいかげん信じてよ。
どうしたら、信じてくれる?」

「どうしたらって…あ……」

目をつぶる間もなく、私の唇に柊司さんの唇が重なって…
私は焦って、顔は火を吹きそうになるし、半ば呼吸困難で…



「だめじゃない。目は閉じなきゃ…」

「す、すみません!」

「じゃあ、やり直し!」

柊司さんの腕が私を抱き寄せ、温かい体温を感じる。
私は目を閉じ…



「もうっ!力入り過ぎだよ。
それに歯は喰いしばらない。
もっと力を抜いて…」

「は、はい。」

私のダメさ加減に柊司さんはちょっと笑って…
そして、二度目のキスが降って来た。



(あぁ、魔法が解ける……)



心地良い感触に、私は酔いしれた。



初めて会った時から、今日までのことが頭の中に浮かんでは消える。
え?まさか、私、幸せ過ぎて死にかけてるの!?



「ぷ、ぷはっ!」

「え?……もしかして、息止めてたの?」

柊司さんの指摘で、私は気付いた。



「本当に困った人だね、君は。」

「すみません…」

「仕方ないよ。そんな君が好きになっちゃったんだから。」

再び、柊司さんに抱き締められて、私はあまりの幸福感に眩暈がしそうだった。



「柊司さん、これからどうぞよろしくお願いします。」

「こちらこそ…」

私達の恋は、ようやく今になって、本格的に始まった。



~Fin.