愛するオトコと愛されないオンナ~面食いだってイイじゃない!?

「だから…お見合いを断るつもり?
それとも受ける?」

「え…そ、それは…」

そんな美しい顔で訊かれたら、断れるはずなんてない。



「僕には、決定権がないからね。
君の意思に任せるしかないんだ。」

「え?ど、どういうことですか?」

「父との約束だからね。
父が80歳になるまでに、結婚するっていうのは。
あと3か月しかないんだ。
今まで僕は好き放題に生きて来た。
だから、そのくらいの親孝行はしようと思ってる。」



なんですと?お父さんが80歳!?
ってことは、さっきいたのはおじいちゃんじゃなくてお父さんってこと!?
決定権がないっていうのは、とにかくおじいさんが80歳になるまでには結婚するつもりだから、柊司さんはお見合いを断ることはないってこと?
なるほど、だから、『君の意志に任せる』なんだね。



「確かに、悪い条件じゃないよね。
間違っても、暮らしに困るようなことはあり得ない。
やっぱり、そういうのって惹かれるものなのかな?」

意外とこの人ストレートな物言いをするんだね。
なんかちょっといやな感じ。



「そうですね。
私にはもったいないような良い条件ですよね。
でも、私は、特にお金持ちになりたいわけではありません。」

ちょっとイラっとしたせいか、私もストレートに答えた。