「ねぇ望月さん」

「はい? 」

「もしかして、望月さんって・・・副社長と付き合っています? 」

「い、いいえ。そんな事、絶対ありません! 」


 急に焦った顔をする紗良を見て、隣の女子社員がクスッと笑った。


「望月さんって、案外分かりやす人なんですね」

「え? 」

「もう、みんな知っていますよ」

「え???」

「だって、お似合いですから。望月さんと副社長なら」

「そ、そんな事ないから・・・違うから! 」


 紗良は必死に否定した。


「別にいいじゃないですか、幸せになるならそれで」

「だから、違うって! 」


 必死に否定する紗良を、隣の女子社員は可愛い人だなぁって見ていた。