見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~

でもきっと、愛があるのとないのとでは気持ちよさが違うはず。

ここまで赤裸々なことは恥ずかしくて言えないから、彼が汲み取ってくれることを願い、私は真剣な眼差しを向け続ける。


「だから……まず周さんを好きになりたいし、私のことも好きになってもらいたいです」


私が望むのは、つまるところこれに尽きるのだ。

しかし、正直な思いの数々を告げているうちに、周さんの表情はやや険しくなっていた。話し終えた今は口元に片手を当て、テーブルへと目線を下げている。

彼のところだけ、ずーんとした黒い雲に覆われているみたいで、私の顔にも覇気がなくなっていく。

失敗だったかな……と内心嘆きつつ、様子を窺う上目遣いで彼を覗き込む。


「すみません……怒っちゃいました?」

「ああ。女性にそこまで言わせてしまった不甲斐ない自分に腹が立っている」


重い声色で即答されて落胆しかけたものの、どうやら怒りの矛先は私ではないらしい。

しばし黙って考え込み、すっと顔を上げた周さんの表情は、どこか憑き物が落ちたようにも見える。


「結婚だけじゃなく、子供についても散々言われてきたせいか、いつの間にか身体の交わりと恋愛を切り離して考えるようになっていたらしい。普通は簡単にわかることなのにな。君のように思うのが当然で、正解だって」