……と、心の中で文句を言ってもどうしようもない。一柳さんはさっさと歩きだし、台所からこっそり様子を窺っていた両親と兄弟に、「希沙さんのお部屋にお邪魔します」とご丁寧に告げている。
そこは礼儀正しいのか。ってそれより、皆そこで盗み見していたの!? まったく……。
私は呆れ顔でアームカバーとエプロンを取り、長靴を脱いで縁側から家に上がる。
心配そうだったり、ニヤニヤしていたり。それぞれの視線を向けてくる皆をちょっぴり睨みつつ、仕方なく一柳さんを二階にある私の部屋へ案内することにした。
男の人を入れるのはいつぶりだろう。元カレは、散らかり放題のここへ来るのは早々に嫌がって来なかったし。少なくとも一年は家族と女友達以外は入れていない。
緊張より、どう思われるかという不安のほうが大きく、ためらいがちにドアを開けた。
そうして目に飛び込んでくるのは、脱ぎっぱなしのジャージや漫画本が床に置きっぱなしで、昔もらったたくさんのぬいぐるみがそこかしこにいる、六畳の部屋。さすがにゴミは片づけているので不潔ではないが、とにかく物が多い。
この光景を目の当たりにした一柳さんは、ある程度は予想していたのか、一瞬眉根を寄せただけで特に動じない。
そこは礼儀正しいのか。ってそれより、皆そこで盗み見していたの!? まったく……。
私は呆れ顔でアームカバーとエプロンを取り、長靴を脱いで縁側から家に上がる。
心配そうだったり、ニヤニヤしていたり。それぞれの視線を向けてくる皆をちょっぴり睨みつつ、仕方なく一柳さんを二階にある私の部屋へ案内することにした。
男の人を入れるのはいつぶりだろう。元カレは、散らかり放題のここへ来るのは早々に嫌がって来なかったし。少なくとも一年は家族と女友達以外は入れていない。
緊張より、どう思われるかという不安のほうが大きく、ためらいがちにドアを開けた。
そうして目に飛び込んでくるのは、脱ぎっぱなしのジャージや漫画本が床に置きっぱなしで、昔もらったたくさんのぬいぐるみがそこかしこにいる、六畳の部屋。さすがにゴミは片づけているので不潔ではないが、とにかく物が多い。
この光景を目の当たりにした一柳さんは、ある程度は予想していたのか、一瞬眉根を寄せただけで特に動じない。



