私の両親も共感するように眉を下げていると、お義母様はひとつ息を吸い、なんとか明るめの声で言う。
「だから、これからふたりを縛ったりはしない。のびのびとした、幸せな家庭を築いていってね」
彼女は周さんと私を交互に見て、優しく微笑む。私はその言葉に感謝して、「はい」としっかり返事をした。
黙っていた周さんも、ようやく口を開く。
「……母さん」
ぽつりとこぼれた呼びかけで、皆の視線が周さんに集中する。彼は隣に座るご両親ふたりに、冷静な瞳を向けた。
「父さんでもいい。俺の名前の由来はなんだ?」
唐突な質問に、ご両親は不思議そうに顔を見合わせ、私たちもキョトンとする。
前に、私たち兄弟の名前の由来を教えたとき、彼は自分のそれを聞いたこともないと言っていた。おそらくそのせいなのだろうけど、なぜ今聞くのだろう。
いまいち彼の思惑を掴めずも、まずお義父様が口を開く。
「……〝周〟は、隅々まで広く行き渡るという意味がある」
「そう。だから……周りの人、自分を取り巻くすべての人に誠実であってほしい、って」
戸惑いつつお義母様も説明し、ふたりで小さく頷き合う。
「だから、これからふたりを縛ったりはしない。のびのびとした、幸せな家庭を築いていってね」
彼女は周さんと私を交互に見て、優しく微笑む。私はその言葉に感謝して、「はい」としっかり返事をした。
黙っていた周さんも、ようやく口を開く。
「……母さん」
ぽつりとこぼれた呼びかけで、皆の視線が周さんに集中する。彼は隣に座るご両親ふたりに、冷静な瞳を向けた。
「父さんでもいい。俺の名前の由来はなんだ?」
唐突な質問に、ご両親は不思議そうに顔を見合わせ、私たちもキョトンとする。
前に、私たち兄弟の名前の由来を教えたとき、彼は自分のそれを聞いたこともないと言っていた。おそらくそのせいなのだろうけど、なぜ今聞くのだろう。
いまいち彼の思惑を掴めずも、まずお義父様が口を開く。
「……〝周〟は、隅々まで広く行き渡るという意味がある」
「そう。だから……周りの人、自分を取り巻くすべての人に誠実であってほしい、って」
戸惑いつつお義母様も説明し、ふたりで小さく頷き合う。



