私の話が事実だと確信したらしい彼女は、「マジか~! 希沙ちゃん、やるぅ!」と、ハイテンションで可愛らしくガッツポーズをした。

心晴さんも私の浮いた話を心待ちにしていたから、とっても喜んでいるのだ。しかも、急に結婚まですっ飛んでしまったので驚愕しただろう。

しばらくして興奮を落ち着けた彼女は、しみじみとした口調になって微笑む。


「そんな漫画みたいなことが現実に起こるものなのね。もし本当にお嫁に行っちゃうとしたら、嬉しいけどそれ以上に寂しいな」

「私も。心晴さんが作るカツレツを食べられなくなると思うと……」

「それでかい」


即座にツッコまれ、私はケラケラと笑った。

もちろん心晴さんと会えなくなるのが寂しいのだが、彼女に時々振る舞ってもらっていた手料理もだいぶ恋しくなりそうだ。

心晴さんはとても料理上手で、ここにもよく差し入れを持ってくるので、休憩中にそれをいただくのが日々の楽しみになっている。

特に、彼女の家にお邪魔したときにごちそうになったカツレツがめちゃくちゃ美味しかったのだ。

それを食べられなくなるのは切ないな。心晴さんや家族、友達とも離れ離れになるのだし、かなり心細くなるだろう。

どれもこれも、お嫁に行ったらの話だけれど。