ああ……ふたりのこのやり取りには脱力させられるよ。というか皆、籍を入れるのはまだかまだかと待っているのね……。
プロポーズを保留にしてしまったことを知ったら、がっかりさせるだろうな。
複雑な心境の私と、眉を下げている母に、父が声をかける。
「仕事のほうは俺たちに任せて、ゆっくり話しておいで」
そのありがたい言葉に甘えて、私の部屋で母とふたりで話すことにした。
ふたりきりになったところで、私はさっそく口火を切った。
子供を望まれているが、ちゃんと育てて幸せにできるか悩み始めたこと、周さんと結婚したい意志は変わらないこと、そして女紋のこと。
すべて洗いざらい話すと、静かに頷いて聞いていた母がひとつ息を吐いた。
「……そう、家のことバレちゃったのね。お父さんには話していたけど、あなたたちには変に気負わせたくなくて黙ってたのよ。ごめんね」
予想通り、母も華族出身だったらしい。彼女は申し訳なさそうにするも、内緒にされていても特に困ったことはないので、私は首を横に振った。
「離婚したのは、それも関係あるの?」
気になっていたことを問いかけると、母は昔を思い出すようにまつ毛を伏せ、悲しげに微笑んだ。
プロポーズを保留にしてしまったことを知ったら、がっかりさせるだろうな。
複雑な心境の私と、眉を下げている母に、父が声をかける。
「仕事のほうは俺たちに任せて、ゆっくり話しておいで」
そのありがたい言葉に甘えて、私の部屋で母とふたりで話すことにした。
ふたりきりになったところで、私はさっそく口火を切った。
子供を望まれているが、ちゃんと育てて幸せにできるか悩み始めたこと、周さんと結婚したい意志は変わらないこと、そして女紋のこと。
すべて洗いざらい話すと、静かに頷いて聞いていた母がひとつ息を吐いた。
「……そう、家のことバレちゃったのね。お父さんには話していたけど、あなたたちには変に気負わせたくなくて黙ってたのよ。ごめんね」
予想通り、母も華族出身だったらしい。彼女は申し訳なさそうにするも、内緒にされていても特に困ったことはないので、私は首を横に振った。
「離婚したのは、それも関係あるの?」
気になっていたことを問いかけると、母は昔を思い出すようにまつ毛を伏せ、悲しげに微笑んだ。



