そうして部屋を出る際、素敵なワンピースを一度眺め、その視線を富井さんへと移す。
「富井さんがデザインしたこの服、販売されたら絶対買いますね。いろいろと、本当にありがとうございました」
快く女紋を調べてくれたことや、告白してくれたことにも改めて感謝して、しっかりと頭を下げた。富井さんは嬉しそうに笑う。
「服なんか俺がいくらでもあげるって。本当に君は女神だよ」
何度目かの大袈裟な言葉には気恥ずかしくなるが、富井さんに会ったことで少し元気が出てきた。彼もスッキリしたように見えてホッとする。
時刻は十時半を過ぎたところ。これから帰っても時間に余裕がありそうだ。
私は笑顔で富井さんと別れ、朝よりも幾分か軽くなった身体で駅へと向かった。
*
久しぶりに帰ってきた地元の見慣れた景色はとても安心感があって、ここのところ張り詰めていたものが一気に緩んだ気がした。
十二月の茶畑は濃い緑色をしていて、葉は硬く、新茶が均等に芽生えるようにきちんと刈りそろえてある。
すでに懐かしく感じるその風景を眺めながら自宅へ向かっている最中、外で作業していた玄にいや陸が私に気づき、驚愕した様子で「なんで!?」と叫んだ。
「富井さんがデザインしたこの服、販売されたら絶対買いますね。いろいろと、本当にありがとうございました」
快く女紋を調べてくれたことや、告白してくれたことにも改めて感謝して、しっかりと頭を下げた。富井さんは嬉しそうに笑う。
「服なんか俺がいくらでもあげるって。本当に君は女神だよ」
何度目かの大袈裟な言葉には気恥ずかしくなるが、富井さんに会ったことで少し元気が出てきた。彼もスッキリしたように見えてホッとする。
時刻は十時半を過ぎたところ。これから帰っても時間に余裕がありそうだ。
私は笑顔で富井さんと別れ、朝よりも幾分か軽くなった身体で駅へと向かった。
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久しぶりに帰ってきた地元の見慣れた景色はとても安心感があって、ここのところ張り詰めていたものが一気に緩んだ気がした。
十二月の茶畑は濃い緑色をしていて、葉は硬く、新茶が均等に芽生えるようにきちんと刈りそろえてある。
すでに懐かしく感じるその風景を眺めながら自宅へ向かっている最中、外で作業していた玄にいや陸が私に気づき、驚愕した様子で「なんで!?」と叫んだ。



