据わった目でじとっと見つめながら言われ、私は若干引きつつも半分納得した。
そうか、富井さんの様子がおかしいのはスランプに陥っているからなのか。でも、その原因が私と周さんというのはどうしてなんだろう。
戸惑っていると、私の耳にかかる髪に彼の指が伸びてきて、ひと束すくい上げられた。瞠目する私の目に、瞳の色を真剣なものに変えた彼が映る。
「だから、責任を取ってもらうよ」
「せ……責任!?」
どことなく妖しげな声色で口にされたひとことにギョッとして、声が裏返った。
責任って、なにをさせるおつもりですか!?
唖然とする私から彼はするりと髪を手離し、お座敷に上がっていく。めちゃくちゃ気になったものの、その直後に受講者の方々がやってきたので、それ以上話すことはできなかった。
一体なにを要求されるのかと胸の中は終始ハラハラしていたが、煎茶道教室が終わった今、富井さんは憑き物が落ちたように以前の元気な様子に戻っていた。
受講者は皆帰っていき、茶室には富井さんと私だけが残っている。彼は正座をしたまま、晴れ晴れとした表情で伸びをする。
そうか、富井さんの様子がおかしいのはスランプに陥っているからなのか。でも、その原因が私と周さんというのはどうしてなんだろう。
戸惑っていると、私の耳にかかる髪に彼の指が伸びてきて、ひと束すくい上げられた。瞠目する私の目に、瞳の色を真剣なものに変えた彼が映る。
「だから、責任を取ってもらうよ」
「せ……責任!?」
どことなく妖しげな声色で口にされたひとことにギョッとして、声が裏返った。
責任って、なにをさせるおつもりですか!?
唖然とする私から彼はするりと髪を手離し、お座敷に上がっていく。めちゃくちゃ気になったものの、その直後に受講者の方々がやってきたので、それ以上話すことはできなかった。
一体なにを要求されるのかと胸の中は終始ハラハラしていたが、煎茶道教室が終わった今、富井さんは憑き物が落ちたように以前の元気な様子に戻っていた。
受講者は皆帰っていき、茶室には富井さんと私だけが残っている。彼は正座をしたまま、晴れ晴れとした表情で伸びをする。



