堅物で、甘さなどは一切感じない彼からこんなセリフが飛び出すとも思わず、調子が乱されまくる。無論、文句をつけたかった気持ちもすっかり治まり、今度は頬が熱くなっていく。
一柳さんって、愛想がよくないだけで、悪い人ではないのかも……。
「もしかしたら、私の視力が衰えているのかもしれないが」
恥ずかしくて縮こまった直後にひとこと付け足され、私はカクリとうなだれた。この人、思ったことをストレートに口にするだけでなく、こんな冗談も言うのか。
私は口の端を引きつらせ、「そうでないことを祈ります」と返しておいた。
結婚や仕事の件はまだなにも決まっていないものの、一柳さんは腕時計を見て腰を上げる。どうやら時間切れらしい。
正座したまま見上げる私に、彼はやや軽くした口調で告げる。
「今日わかったのは外見的なことくらいだが、これから普段の君も知っていくよ。さらに興味が湧いたんでね。君がどれだけ面倒くさがりで、女性らしさを捨てた、土にまみれた芋っぽい女性なのか」
「そこまでは言っていないような……」
私の干物っぷり、だいぶ脚色されてますよ。一柳さんの性格には意地悪なところも十分あると見た。
一柳さんって、愛想がよくないだけで、悪い人ではないのかも……。
「もしかしたら、私の視力が衰えているのかもしれないが」
恥ずかしくて縮こまった直後にひとこと付け足され、私はカクリとうなだれた。この人、思ったことをストレートに口にするだけでなく、こんな冗談も言うのか。
私は口の端を引きつらせ、「そうでないことを祈ります」と返しておいた。
結婚や仕事の件はまだなにも決まっていないものの、一柳さんは腕時計を見て腰を上げる。どうやら時間切れらしい。
正座したまま見上げる私に、彼はやや軽くした口調で告げる。
「今日わかったのは外見的なことくらいだが、これから普段の君も知っていくよ。さらに興味が湧いたんでね。君がどれだけ面倒くさがりで、女性らしさを捨てた、土にまみれた芋っぽい女性なのか」
「そこまでは言っていないような……」
私の干物っぷり、だいぶ脚色されてますよ。一柳さんの性格には意地悪なところも十分あると見た。



