半信半疑で遠慮がちにゆっくり開けてみれば、想像を上回る綺麗さの指輪が現れて息を呑んだ。
プラチナのリングは、わずかにウェーブを描くS字デザイン。中心のダイヤには、小さなピンクダイヤが寄り添うようにくっついている。
男性から指輪を渡された経験など皆無なので、なんとも言い表せない感動が込み上げて片手で口を覆った。
「っ、こんな……素敵な指輪、いつの間に……!」
「婚約を決めてからオーダーして昨日仕上がっていたのに、渡すタイミングが掴めなかったんだ」
声を震わせる私とは反対に、周さんはやはり動じている様子はない。
でも、私のためにエンゲージリングを選んで、渡すタイミングを計っていたのであろう彼を想像すると、なんだか愛しくて笑みがこぼれた。
それにしても、なぜ今にしたのだろう。家に帰ってもふたりだし、休憩中とはいえ職場で渡さなくてもいいのに。
「どうして、ここで渡すことにしたんですか?」
「ジャージより着物姿のほうが雰囲気が出るかと」
「それで!?」
無表情の彼の口から出た理由があまりにも軽いものだったので、ついツッコんでしまった。
なんだ、私が原因か……とうなだれたのもつかの間、「それだけじゃない」という周さんの声が耳に入ってくる。
プラチナのリングは、わずかにウェーブを描くS字デザイン。中心のダイヤには、小さなピンクダイヤが寄り添うようにくっついている。
男性から指輪を渡された経験など皆無なので、なんとも言い表せない感動が込み上げて片手で口を覆った。
「っ、こんな……素敵な指輪、いつの間に……!」
「婚約を決めてからオーダーして昨日仕上がっていたのに、渡すタイミングが掴めなかったんだ」
声を震わせる私とは反対に、周さんはやはり動じている様子はない。
でも、私のためにエンゲージリングを選んで、渡すタイミングを計っていたのであろう彼を想像すると、なんだか愛しくて笑みがこぼれた。
それにしても、なぜ今にしたのだろう。家に帰ってもふたりだし、休憩中とはいえ職場で渡さなくてもいいのに。
「どうして、ここで渡すことにしたんですか?」
「ジャージより着物姿のほうが雰囲気が出るかと」
「それで!?」
無表情の彼の口から出た理由があまりにも軽いものだったので、ついツッコんでしまった。
なんだ、私が原因か……とうなだれたのもつかの間、「それだけじゃない」という周さんの声が耳に入ってくる。



