実は、周さんの提案でレストランで泰永茶園の煎茶を使うだけでなく、商品も売り始めたのだ。トレヴァーさんは帰りにそれを買っていってくれて、本当にありがたかった。
求婚された当初に周さんが言っていた通り、ビジネス上でもお互いに利益があると身に沁みて感じるし、ここへ来た甲斐があったと思える。
気持ちのいい青空を見上げて自然に口角を上げていた私は、そのまま彼に視線を移し、先ほど驚いたことを伝える。
「周さん、悠久流をご存じだったんですね。びっくりしました」
「ああ……祖父も分派の人間だったからな」
「そうなんですか!?」
さらに意外な事実が明かされ、私は目を丸くした。
まさか、周さんのお祖父様も悠久流の一派だったとは! だから彼も作法を知っていたのね。
驚きつつも納得していると、彼もおもむろに空を眺める。
「人と人が繋がるのに、国や人種、家系は関係ない。希沙のその言葉を聞いて、祖父を思い出した。あの人も似たことを言っていたよ」
そう話す彼の横顔はとても美しく、遠い日に思いを馳せているようだった。
お点前を始めるとき彼が微笑んでいたのは、お祖父様の記憶を蘇らせたからだったのかもしれない。
求婚された当初に周さんが言っていた通り、ビジネス上でもお互いに利益があると身に沁みて感じるし、ここへ来た甲斐があったと思える。
気持ちのいい青空を見上げて自然に口角を上げていた私は、そのまま彼に視線を移し、先ほど驚いたことを伝える。
「周さん、悠久流をご存じだったんですね。びっくりしました」
「ああ……祖父も分派の人間だったからな」
「そうなんですか!?」
さらに意外な事実が明かされ、私は目を丸くした。
まさか、周さんのお祖父様も悠久流の一派だったとは! だから彼も作法を知っていたのね。
驚きつつも納得していると、彼もおもむろに空を眺める。
「人と人が繋がるのに、国や人種、家系は関係ない。希沙のその言葉を聞いて、祖父を思い出した。あの人も似たことを言っていたよ」
そう話す彼の横顔はとても美しく、遠い日に思いを馳せているようだった。
お点前を始めるとき彼が微笑んでいたのは、お祖父様の記憶を蘇らせたからだったのかもしれない。



