見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~

「周さんが頭で考えるよりも先に、心で私を求めてくれたから……かな」


私の返答に、彼は目を見張った。

そして私も、芽生えた気持ちを自覚する。彼に触れられたり、求められたりすることがこんなに嬉しいのは、確実に惹かれているからだと。

どうやら、私が先に恋に落ちてしまったみたい。

清々しく負けたような気分になっていると、すっと腰に手を回され、片腕で抱かれる。もう片方の手は頬に添えられ、熱を孕んだ瞳に捉えられた。


「やはり面白いな、希沙は。……もっと、君を味わいたい」


そのひとことは、彼があえて本能をさらけ出したように感じ、胸が高鳴る。

〝どうぞ〟の意味を込めてこくりと頷けば、再びゆっくりと唇が寄せられ、温もりに包まれた。

漏れる吐息は次第に甘くなり、舌は熱く絡み合って溶けそうになる。

濃厚さを増していく口づけに夢中になりながら、私たちの気持ちもいつかひとつになれたらと、願わずにはいられなかった。