刺激的なひとことと、腰に指が触れたくすぐったさに反応してビクッと身体が震え、「ひぁっ!」と変な声を上げてしまった。

咄嗟に口を手で押さえる私を、周さんは一瞬キョトンとして見つめる。そしてすぐ、どこかいたずらっぽく瞳が細められた。


「希沙はここが弱いのか。……弱点を知ると攻めたくなる」


低い声に妖艶さが加わり、今度は意図的に腰の辺りをつつっとなぞられて、再び小さな悲鳴を上げて身体をくねらせる。

その瞬間、私の頭の中で警告音が鳴り響いた。このままでは本当に混浴するどころか、破廉恥な大人の遊びが始まってしまうぞ、と。

おかしな状況に軽くパニックに陥り、慌てて囲われた腕から抜け出そうともがく。


「くっ、くすぐるのは反則です! 服を脱ぐのも、入浴もひとりでできますからご心配なく!」

「酔いは醒めたか」

「バッチリ醒めました! ありがとうございます!」


お礼を言うところなのか微妙だがそれは置いておいて、なんとか抜け出すことに成功した。

そして、「ほらほら、歩けますよー」と言いながら周さんを無理やり脱衣所の外へと押し出し、扉を閉めてはぁ~と盛大に息を吐き出す。