「っ、危ない……まったく、言ったそばから──」


彼は若干の怒りが混ざった苦しげな声を出し、私の頭を支えたままもう片方の手を横の床につく。

そうして私に覆い被さった状態の彼と視線が絡まり、お互いに目を見張って固まった。

う、わ……この体勢は際どい。ベッドの上だったら、確実に食べられるやつ……!

なんて妄想してドキドキしている場合じゃない。私をかばったことで怪我をしていないだろうか。


「ご、ごめんなさい! 周さん、大丈夫ですか?」


問いかけつつ、早く上体を起こそうとする私。しかし、周さんはなぜか私を見つめたまま動かないので、顔がより近くなってしまった。

キスできそうなくらいの距離で、彼はどことなく熱っぽい視線を送り続けて口を開く。


「俺より自分の心配をしたほうがいい。ちゃんと歩けそうにないなら、一緒に入るぞ」

「いっ……!?」


一緒に!? そんなの無理に決まってる! ていうか、本気ですか!?

内心あたふたしてなんの言葉も出せずにいると、Tシャツの裾から軽く手を差し込まれ、捲り上げられそうになる。


「服も、脱げなければ脱がしてやる」