その日のことすら聞いてこない誠実…

かなり憔悴しきっていた…



話するわけでもなく、
ただただ隣にいるだけ。



気持ちの共有できる間柄だけだった…
そう思ってしまった。





心の中は穴が開いていた……





阿佐くんは…どこに行ったんだろう?

阿佐くんは…どこにいるんだろう?



阿佐くんのいる場所に行きたい……



まだ何も考えられる余裕などない…。






その晩、
誠実はアパートに泊り込んでしまって…
隣合わせになり寝ていた。





阿佐くんのいない世界。

阿佐くんのいない部屋。




毎日いっしょにいることが当たり前だった4か月少し。



結婚まで夢にみていたふたりは、
別の道へと…
呆気なく崩壊してしまった





そんな中、
会社へも出勤するようになりながらいた。


仕事に没頭出来ないままに…。





しかし、
そんな私を助けてくれる存在だったのは





それは……

それは…



誠実だった。






想い続けていてくれる、


なんとなくは分かっていたけど、
このときは信じなかった__…





信じる余裕などなくて、


まだあの世界に旅立ったアノ人を想い続けていたからだった…。