その日、
ずっと好きだった誠実とは最後の…
関係を持っていた。



私を好きでいてくれた人…
私を愛してくれた人…
私を支えてくれた人…



心の中は悔しさが大きかったけど、
私には悔いや後悔はなかった。





誠実は、
無言のまま……



荷物の整理をし始め、
アパートの近くでの最後の抱擁。



『ありがとう…』



私の頭を撫でる手……



最後の最後まで優しかった




『ごめんね…』

『謝るなよ。幸せになれよ…』





車に乗り込んで、
エンジンをかけて行ってしまう彼をしばらく見つめる。





そのあと、
数秒違いで現れたのは…阿佐くんだった。




涙ぐむ私の前に現れた阿佐くん…