光里のこと…
守りたかった。



光里のこと…
支えていきたかった。






しかし、
会えない時間が埋めれなくなってしまったふたりの距離感。



光里の気持ちは、
気づけば親友の方へと動いていた。





『幸せだった…。光里のこと、まだ好きだ。
でも…悪かったな。』

『せいじ。好きになってくれてありがとう。
好きだった…。大好きだった…。』






_好きだった。
大好きだった。





光里の言葉、
過去形になってしまったことが苦しくなるひととき。




俺にしたら、
現在進行形なんだけど…
過去形なんだなぁ、と。





掴みたいけど、もう戻れないことをつくづく実感。






もう少しで3年だったし、
結婚を視野に入れている前に……






ふたりはそれぞれの原点回帰…





出会ったころの場所に戻ることになった…





埋めることの出来なかった時間…

ふたりの思い出の場所…




走馬灯のように流れる時間と思い出を持って、
部屋にある私物整理に追われながら。





別れて、
自宅に戻る途中…
これまでになかった涙が溢れ出てしまった。





先に起こるできごとなど、
このときはまだ分からずにいた。






幸せになれ…


幸せであれ…





無残にも、
引き裂かれることなど考えたくなかった。






苦しい、
つらい、
しんどい……



その思いがのちになって、
思い知ることなんて分からない…




そう思っていたのに……



そう思っていたのに……