アパートの一室…





阿佐くんは部屋に入ってくるなり、
私をこれでもか…ってくらい抱きしめていた。





『すぐ帰るから。アイツ、怖いから_…』





そう言いながら、
身体を愛撫してくる阿佐くんとの愛…浮気心…






優しさいっぱいの、
愛がいっぱいな気持ちをくれた。





このときはそのあとがちょっとだけ怖くて…。






でも、このまま一緒にいたい…
そんなことだって思った。





『俺、帰るから…。またな。』

『うん…。気をつけて。またね。』





自宅裏の車のところまでお見送り…





『じゃあな…』





『うん…。またね』





阿佐くんの手の温もりが残ったまま…


阿佐くんは車を走らせながら、
帰って行ってしまった。





このまま続けば良いね…



このときはそう思っていたよ。





しかし…


このときはまだわからなかった、
先に起こることすら…


見えなかった…

分かるはずもなかった…