俺はそんなある日…、





誠実が帰宅しないことを分かりながら、
気持ちがまったくないことも知りながら……






『好きだ…。俺のこと好きになってもらえないかなぁ?』





そう言ってしまった。

後悔などまったくなかった。

素直な気持ちをさらけ出した。





その答えにも

『ごめんね』って言葉が返ってきた。






この晩は誠実は弟が入院したから、帰って来ることがなく…


不謹慎にも、
喜びがあったんだ。





溝や嫌われてしまうことなんて、目に見えていたのに…
純粋に好きなだけで……





惚れた人に、
愛情を示してしまったんだ……