この日、
誠実が帰宅しないことを分かりながら…




阿佐くんが居座りながら……
一夜の過ち。





『お願い…。もうこの関係、無くしてもらえないかなぁ。』

『そんな残酷な気持ち、聞きたくない…。
幸せにする…。
俺のこと好きになってもらえないかなぁ。』

『そんな……。阿佐くん、私は何度も言うけど……無理なの。ごめんね。』





阿佐くんを突き放そうとしても、
阿佐くんの強い力には敵わない…





この晩、
改めて思い知った。





『お願いだから…ひかり。
ひかりがいなきゃダメなんだ俺には…』





_阿佐くん…



涙ぐませないで…。


そんな目で見ないで。






阿佐くんと誠実…

私にはどっちも、
もったいないくらいに素敵な人。




でも……


気持ちだけは固まってしまった私には、どうすることも出来ずにいました。


ふたりの気持ちがよく分かりはじめているから…






天に任せる…
そうするしかなかった。






このときはまだ……