『俺、少し出かけて来るから。阿佐、ゆっくりして行けよ』

『ふたりに会いに来たんだからな』





完全に妬いてしまった俺は、
無言の状態で部屋を出て行く。






エレベーター前まで響く光里の声も虚しく。


呼びかけていたし嬉しかったのに、
心のなかと行動が伴わない。





しばらく本屋で立ち読みした後、
頭を冷やす。





部屋に戻ってくるも、
阿佐はまだいて思わぬ場面に遭遇したのはこの時だ。





ふたりで布団の中に潜っているのを発見した。





冷やした頭は、
再び熱くなっている俺は…怒りが込みあげるけど
黙って部屋の隅っこで寝たフリ。





『誠実?声くらい掛けろよ』

『お前に言われたくねーよ』



ふたりでつかみ合いのケンカして、
光里は戸惑いながら中に入ってくる