おでこに触れられた感じで目が覚めた。

目の前にいたのは、ユニフォーム姿の平良だ。
熱がないか確認してたらしい。
平良がハッとする。

「ごめん、起こした?大丈夫?」
「あ・・・ごめん。部活は?」
「今から行くよ。」
「そっか。」

平良がどことなく心配そうな顔をする。

「ありがとう、大丈夫だよ。」
「沙和、今日どうしたんだよ。」
「え・・・どうしたって・・・?」
「朝から体調悪かったのかよ。」
「いや、終業式の途中で急に・・・でもたまにあって。朝ごはんちゃんと食べてこなかったから。」
「ちゃんと食えよ。」

平良が呆れる。
そうだけど、原因を作ったのは平良だ。

「なんで平良は・・・」
「ん?」
「なんで平良は普通なの?」
「は?」
「あんなことしてなんで普通でいられるの?」
「あんなことって、昨日の?」

私は頷く。

「沙和だからだよ。」
「え?」
「沙和だから、普通なんだよ。」

は?