** 3月。 先輩たちが卒業していき、とうとう自分たちが一番上の代になろうとしている。 「なんか、あっという間だよねほんと」 「うん」 なんだか、長かったような、短かったようなそんな1年だった。 「あれから、勇也くんとまだ話してないの?」 「うん」 クリスマス以来、本当に勇也とは話していない。 バレンタインのときもなんだかんだ話せなかったし。 家の前でたまにすれ違ったりすることはあったけれど、挨拶する程度だった。