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「っ」

葵がいなくなってしまったこの部屋で俺は力が抜けたように動けなかった。

中途半端だと自分でもわかってる。

自分から突き放したのもわかってる。

まるで永遠の別れのように、今までありがとうなんて。


「勇也、泣くな」

いつの間に戻ってきたのか、航平が家にいた。


「泣いてなんか・・」

「嘘つけ。お前いまボロボロに泣いてるよ」

そういわれて頬に手をあてるとその手が涙で濡れた。


「俺、最低だ」

「そんなの、梨花子を選んだときからわかってただろ？」

そんな航平の言葉になにもいえない。