「なあ、勇也。もういいよ。無理しないでいいよ」 「無理なんかしてねぇよ」 「してるだろ!いまの勇也はおかしい。壊れてるよ」 「はは。なにそれ」 「そこまでしてまで、梨花子と付き合って何の意味があるんだよ?」 「意味?そんなの葵を守る・・」 「守れてないだろ!!」 いままで16年間一緒にいて、はじめて航平のこんな大きな声を聞いたかもしれない。 「守れて、ないよ。勇也。葵は、いまの勇也をみて苦しんでるよ」 「っ」 涙が伝った。