「杏奈」
「なぁに? お兄ちゃん」
「気づいてるんだろ?」

あぁ、やっぱり。
知ってたんだ。私と兄は血の繋がらない兄妹だって。

両親は隠していたつもりらしいけど、
私は書類を見てしまった。

私はこの家の養子。

そりゃそうだ。
私だけ癖っ毛だもん。昔から不思議に思っていた。

「お兄ちゃんは、いつから知ってたの?」
「この世界が終わるってニュースになった後、父さんと母さんから聞いた」
「そっか。それなら、私の方が先だね」
「杏奈はいつから?」
「私は、中学に入学した時。たまたま書類を見つけちゃって…」

あの時は衝撃的だったなぁ。
でも、悲しいとかって思わなかった。