「永野」



その低い声が、すきだった。



「明後日って一緒に遊べる?」



そのストレートな言葉がすきだった。



「永野と遊びたくて……ダメかな?」



どうして。どうして、そんなに可愛い顔を……と思った。何度も、何度も。



消えてくれない。



夜になってまぶたを閉じても。眠っても。



朝になって綺麗な空を見ても。眠くても。



どうしてもすきで、どうしても1歩が踏み出せなかった。



臆病なあたし。こんなに臆病だから、気持ちを打ち明けることもできなくて。



多分、永遠に。彼と手を繋いで歩ける未来は、こない。



元弥。元弥。いちばん近くにいたから。あたし、元弥のいちばん近くに、ずっといるんだよ。



幼なじみなんだよ。



でも……。