幸せな結末

「寒いね・・・」
車の中で理恵がエアコンの設定温度を上げると朝陽は赤信号で自分の上着を理恵に着せた。
「ありがとう」
「やっぱり今日は休んだほうがよかったんじゃないか?」
心配そうな朝陽に理恵は微笑む。
「大丈夫。ダメなときは早退するから。」
「その時は連絡して。もしかしたら送れるかもしれないし。」
「うん。」
理恵は病院へ着くまでの間目を閉じて自分の体調が少しでも回復するようにと体を休めていた。

理恵は自分の病棟へ着くと更衣室へ入り身支度を整えた。
「おはよう」
「おはよう」
智子が更衣室に先にいた。
「大丈夫なの?体」
「まぁね。」
理恵が自分のロッカーの前で朝陽の上着を脱ぐと智子がにやにやしながら理恵を見ていた。
「そっちは大丈夫みたいね」
「ん?」
理恵が智子を見ると、朝陽の上着を指さしていた。