幸せな結末

家事をほとんどできない理恵に代わり朝陽がほとんど家事をやってくれていた。

理恵は短時間勤務でも朝陽は完全に通常のシフトに戻っている。
それでも理恵をフォローできるように毎日冷蔵庫のシフト表を照らし合わせながら朝陽は自分がいない間の理恵も考えてくれていた。
「いつもごめんね」
口をすすいだ理恵がリビングへ戻ると朝陽は理恵に水を渡した。
「ありがとうだろ」
朝陽は理恵に微笑む。

理恵は忙しくてすれ違ってばかりいた朝陽との再び一緒の時間が増えてうれしかった。

同時に自分が忙しさを言い訳にして朝陽とちゃんと向き合っていなかったことを後悔していた。

その後悔の分も理恵も体調が悪いなりに、向き合おうとしていた。

朝陽もそんな理恵のことをわかっている。
「これなら食べられるか？」
そう言って朝陽が差し出したのは理恵が大好きなプリンだった。