「不妊治療から担当していた妊婦さんがいるんだけどね。妊娠7か月だったの。」
「うん」
「その患者さんがおととい脳血栓で緊急手術して、昨日の朝亡くなったって。赤ちゃんは今呼吸器につながれている状態だって。」
「そっか・・・」
命の現場で働いているいじょう、こういう事態をたくさん経験してきた。
それでも悲しいことは悲しいし、悔しいことは悔しい。
その場に立ち会えなかった自分が悔しい。自分がなにかできていたら防げたことかもしれないと思ってしまう。
理恵が淡々と話をするのを朝陽は冷静に聞いてくれていた。
昔はこうしてよく朝陽に泣き言やうまくいかないこと、悔しいこと、悲しいこと、話してたっけ・・・。理恵は過去の記憶がよみがえった。
看護師になりたてで、朝陽よりも先に現場へ社会人としてデビューした理恵は、学生の朝陽によく話をしていた。理恵の話を朝陽は勉強をする手を中断してよく聞いてくれていたっけ・・・。
朝陽も医者として勤務するようになってからもしばらくは二人で時間を見つけて、時間がない時はつくってでも話をしていた。そうして悲しみも苦しみも後悔も半分に分けてやってきた。
「うん」
「その患者さんがおととい脳血栓で緊急手術して、昨日の朝亡くなったって。赤ちゃんは今呼吸器につながれている状態だって。」
「そっか・・・」
命の現場で働いているいじょう、こういう事態をたくさん経験してきた。
それでも悲しいことは悲しいし、悔しいことは悔しい。
その場に立ち会えなかった自分が悔しい。自分がなにかできていたら防げたことかもしれないと思ってしまう。
理恵が淡々と話をするのを朝陽は冷静に聞いてくれていた。
昔はこうしてよく朝陽に泣き言やうまくいかないこと、悔しいこと、悲しいこと、話してたっけ・・・。理恵は過去の記憶がよみがえった。
看護師になりたてで、朝陽よりも先に現場へ社会人としてデビューした理恵は、学生の朝陽によく話をしていた。理恵の話を朝陽は勉強をする手を中断してよく聞いてくれていたっけ・・・。
朝陽も医者として勤務するようになってからもしばらくは二人で時間を見つけて、時間がない時はつくってでも話をしていた。そうして悲しみも苦しみも後悔も半分に分けてやってきた。



