薬局で薬をもらい自宅へ戻るときも朝陽は理恵を支えてくてくれた。
力強さとあたたかさに再び理恵は涙が溢れそうになる。それでも必死にこらえながら一歩一歩朝陽と前に進んだ。

「横になったほうがいい」
朝陽は理恵を寝室へ運ぶと理恵をベッドに座らせた。
「ちょっと待ってて」
そう言うと理恵の部屋着をクローゼットから出し理恵に着ている服を脱がせる。
少し恥ずかしいと思いながらも理恵はされるがままにしていた。
「っ!」
右手を動かすとまだかなり痛む。
「ごめん」
朝陽のせいじゃないのに・・・。朝陽はとても慎重に着替えを手伝ってくれた。
「今日はこのままシャワーとかは浴びないほうがいいな。明日一緒に入ろう。」
意外な言葉にも理恵は自分がけがしているから仕方なくそう言っているのかもしれないと、ただ頷いた。
「具合悪い?」
「平気・・・」
言葉が少ない理恵の顔を朝陽が覗き込む。理恵は少し恥ずかしくなってうつむいた。