その日の夜。
俺がベッドに入ってから帰宅した理恵。

「お帰り」
「ただいま」
俺の声に理恵が俺の方を見る。
眠気に逆らえず俺もやっと目を開けている状態。理恵も今にも眠りに落ちそうだ。
眠そうに瞬きしながら俺を見る理恵に愛おしさがこみ上げる。
「ごはん食べた?」
「・・・いらない。眠りたい・・・」
「最後に食べたの何時?」
目を閉じたまま俺の質問に答える理恵。
「う~ん。夕方・・・食べ損ねた・・・」
「だめだろ?ちゃんと食べないと」
そこで理恵は寝息をたて始めてしまった。

「理恵、今日なんかあったのか?・・・俺屋上に行ったんだ。理恵を探しに。でもいなくてさ。昔は理恵の考えていることも理恵がどこにいるかもすぐにわかったのに。・・・いつからか・・・わからなくなったんだ・・・。こんなんじゃだめだよな・・・。」