理恵は抱いている光をギュッと抱きしめる。
おひさまのにおいのする光。抱きしめながら、悲しみを忘れようとしていた。

「理恵。」
朝陽がそんな理恵の背中をさする。

朝陽には何でもお見通しだ。

「明日、休みだからさ、どこかに行こうか。」
「うん」
理恵が微笑む。
「どこに行きたいか、考えといて。」
「うん。光、パパとお出かけだって。どこ行きたい?」
「ばしゅ!」
「バス?」
最近は光は乗り物ブーム。
「じゃあ電車とバスに乗りに行こうか。」
朝陽の言葉に光がきゃっきゃと喜んだ。