朝陽は床にバスタオルをありったけ敷き詰めて理恵の体をふくと毛布を掛けた。
救急車を呼ぶ。その間に浴室の鏡の角で深く切ってしまった右手の甲の傷を調べていた。


浴室から部屋に理恵を運ぶとき、朝陽はその軽さに驚いた・・・。


気づいていた。
最近理恵の顔色が悪いこと。
食事もまともに取れていないこと。
眠気が強くだるそうなこと。
痩せてきていること。

なのにどうしてもっと早く・・・・なにかできただろ・・・なんのために自分がいるんだ。



何もできなかった自分が不甲斐なくて朝陽は唇をかみしめた。